横山千秋展@ギャラリー木もれび

【横山千秋展】
16日まで、好間町榊小屋字中平65の9、
ギャラリー木もれびで。
午前10時~午後4時。
問い合わせは090(4633)0327まで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちょっと長くなります。ごめんなさい。
今日、お邪魔してきました。

ベニヤ板に塗料を重ね、コンテで色づけしたり、
金箔を重ねたり、という抽象画です。
ご本人の人柄を表すような、柔らかさと、芯の強さを持ち合わせた作品。
抽象画が苦手、という方は多いと思うのですが、
結構気軽に親しめる感じ。

そこで、1つの出会いがありました。
長野県上田市の「無言館」という美術館。
戦争で命を落とした画学生の作品を収蔵しています。

横山さんに教わったのが、中村萬平という人の「霜子」という作品。
中村は昭和16年に東京芸術大を卒業、翌年に応召され、戦地に赴きます。
霜子は、中村の妻。絵のモデルを通して知り合い、在学中に結婚。
召集されたとき、霜子のお腹には、新しい命が宿っていました。

元気で無事な赤ちゃんを、と願いを託したものの、
霜子は産後の肥立ちが悪く、出産後2週間足らずでこの世を去ります。
戦地で妻の死を知った中村は、自分を照らす満月を見上げ、
嗚咽したそうです。生きる希望を長男に見出したものの、
しかしながら、中村もこのあとすぐ、戦死してしまいました。

作品は、霜子の裸婦像。この絵を描いた当時、霜子は妊娠中。
妻への限りない愛が詰まった絵だからなのか、
横山さんは、この絵が輝いて見えた、ということでした。
自身が影響を受けたものとして、会場内に図録を置き、
そこでこうした話を聞かせていただきました。

この時に、一緒に拝見したのが、中村の芸大卒業制作の作品、
自画像(芸大の卒業制作は自画像と決まってるのです)。
中村の自画像には、目がありませんでした。
それは、戦争を直視したくない、という中村の思いが
現れているようも見える作品です。

今回の横山さんの作品のテーマは「生命の響き」。
霜子の絵に、横山さんは生へのエネルギーを貰ったといい、
「色んなことがあるけれど、生きていることは幸せなこと」と
思えるようになった、ということです。
中村の話を聞いたとき、私も素直にそう感じました。
横山さんが思いを馳せる、人との出会い、人の温かさ、
自然の生命という命の響き。
そこから作品が生まれていることを知ると、
また違った作品のように感じられました。

芸術作品は、自分の心で見るもので、人に強制されて
見るものでもなければ、こうやって見ろ!という
もんでもなく、自分が見たいように見て、
感じたいように感じる、何も感じないならそれはそれでいい、
と思います。絵を見に行く、ということは、
人によっては勇気の要ることなのですが、
木もれびさんの素敵なロケーションの中で癒されながら、
アートと向き合うのは悪いことではありません。
そろそろ今年の営業も終わってしまうので、
よければどうぞ♪


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">